Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-102)(私家版)

仏陀は、あるとき、アーナンダ尊者と外出し、一組の乞食(こじき)が乞食(こつじき)しているのに出会い、仏陀はそっと微笑んだ。

アーナンダ尊者は訊ねた:

「世尊、あなたは何を微笑っているのですか?」

仏陀は答えて言う:

「アーナンダ。あなたは、あの、二人の乞食を見たか?

この一対の夫婦は、すでに老いた。もし、彼らが33歳より以前に勇猛に精進したならば、男性は、阿羅漢道果を証悟できたし、女性は、アナーガミ道果を証悟する事ができた。

もし、33歳を過ぎてしまっても、66歳の前までに、精進努力する事ができたならば、男性は、アナーガミ道果を、女性は、サターガミ道果を証悟する事ができた。

今、彼らは私の目の前にいるが、しかし、今では年を取り過ぎていて、たとえ、私が彼らに説法してあげたとしても、彼らには、もはや、涅槃を体験するチャンスは、ないのである。勿体ないことだ!」

ただし、年老いた為に希望がない、という事はない。

仏陀の時代には、120余歳の人が、道果を証悟している。パオ森林僧院では、70余歳、80余歳の人々が、ジャーナを証得している。

(上記の)仏陀の説明は、あの乞食の夫婦に対してものである。

(3-103につづく)

<願以此法布施功徳、早日証得涅槃楽>