仏陀は、あるとき、アーナンダ尊者と外出し、一組の乞食(こじき)が乞食(こつじき)しているのに出会い、仏陀はそっと微笑んだ。
アーナンダ尊者は訊ねた:
「世尊、あなたは何を微笑っているのですか?」
仏陀は答えて言う:
「アーナンダ。あなたは、あの、二人の乞食を見たか?
この一対の夫婦は、すでに老いた。もし、彼らが33歳より以前に勇猛に精進したならば、男性は、阿羅漢道果を証悟できたし、女性は、アナーガミ道果を証悟する事ができた。
もし、33歳を過ぎてしまっても、66歳の前までに、精進努力する事ができたならば、男性は、アナーガミ道果を、女性は、サターガミ道果を証悟する事ができた。
今、彼らは私の目の前にいるが、しかし、今では年を取り過ぎていて、たとえ、私が彼らに説法してあげたとしても、彼らには、もはや、涅槃を体験するチャンスは、ないのである。勿体ないことだ!」
ただし、年老いた為に希望がない、という事はない。
仏陀の時代には、120余歳の人が、道果を証悟している。パオ森林僧院では、70余歳、80余歳の人々が、ジャーナを証得している。
(上記の)仏陀の説明は、あの乞食の夫婦に対してものである。
(3-103につづく)
<願以此法布施功徳、早日証得涅槃楽>