仏陀は、嘘をつく事はできない。
また、事実を知らせるのも憚られた。
というのも、それを知れば、国王は、布施に対しての信頼心を失うかも知れないが故に。
しかし、仏陀は畢竟、善くて巧みな教師であった。
彼は神通を使って、国王が彼の面前に来た時、突然、この問題を忘れてしまう様にした。
国王は(宮殿に)戻った後、祇園精舎に行った目的を思い出して、再度、次の日もまた、仏陀に会いに行った。
仏陀は再び神通でもって、彼に来訪の要件を忘れさせる様にした。
この様にして、七日間が過ぎた。
(6-73につづく)
<願以此法布施功徳、早日証得涅槃楽>