南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(40ー15)(私家版)

勝蓮花仏の時代、人の寿命はほぼ、500万年の長さがあった。当時、ある一人の居士が、厳格に5戒を守っていた。500万年の間、一度も戒を破らなかった。当然、彼は止禅、観禅も修したかと思われる。臨終の時、彼は己が戒を持するに、これ程清浄であったのであるからと、非常に嬉しく思い、結果、天道(天界)に生まれた。天道に生まれて後、彼は持戒の力が非常に強い為、また別の天道に生まれた。または天道から人道に生まれ、人道から天道に生まれたりした。ずっと天界と人界を行ったり来たりして輪廻して、天と人界の福報を楽しんだのである。仏陀の時代になって、彼は人間界に生まれた。5歳の時、父母が彼を連れてある寺院に行った時、比丘が、5戒を伝授し始めた。突然、この子供は、己が過去世において、500万年の長きに渡り、非常に清らかに、5戒を守った事を思い出して、心中は喜びに溢れた。このときより、彼は修行を始め、名色法の無常、苦、無我の観察をして、最後に阿羅漢になったのである。