Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

仏教の悪業観について

本日翻訳UPしました<実用アビダンマ>    (49ー3)に、障害者や性的マイノリティーは悪業の結果である、とあります。。   私の個人的見解とは別に、原文通り訳しました(仏教書は恣意的に訳してはなりませんから)。。。。                 ここにはありませんが、女性に生まれるのも悪業の結果であり、男性に生まれるのは善業の結果である、と言う主張を読んだ事もあります。。。。。。。                  女性である私は、ここの部分は、良い気持ちはしませんが、事実であるならば受け入れたいと思っています。。。。           仏教(仏典)には幾つか、女性への差別的表記があります。その事について、日本のフェミニストの方々が、批判的に本を出版された事があります。。。。。。           私の考えでは、仏教は、基本的には、仏陀によって解明された所の、宇宙的実存への叡智に満ちた教えであるという前提はありましても、2600年前の、当時のインド社会の価値観を反映している部分もあり、それが女性差別や障害者差別的な表現になっているものと思われます。。。。。。                 女性は業が悪い、障害者は業が悪い、性的マイノリティーは業が悪い(が事実として)、それを非難・嘲笑するだけでは、問題は解決しません。。。。。。。。           我々は、現有の社会の中で、どれ位、社会的弱者と共感し、共生して行くのか、が問われているのだと思います(これは人間の慈・悲の部分)。。。。。。。。                     己の人生における苦難は、己の悪業の結果かもしれない(サマタ・vipassanāの修行をすれば、己の心内にて、分かる事ではありますが、これは智慧の部分)ならば、それをば、                  潔く受けて立とう! という決意と勇気、同じ境遇の者(人は皆大なり小なり悪業を背負っている)への憐憫と共闘があっても良いのではないか、と思うのです。。。。。。。。             緬甸パオ森林僧院ヤンゴン分院所属…………   Paññādhika Sayalay(般若精舎)