翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(55ー2)(私家版)
1.重業 所謂重業について、全ての殺生が重業になるわけではない。ただ5種の業のみ、重業と呼ぶ。それそぞれ:父親殺し、母親殺し、阿羅漢殺し、仏陀に怪我をさせて流血する及びサンガの分裂(を奨めた者)。。。。。。。 デイバダッタは、仏陀に怪我を負わせて出血させるという重業をなしたことある。。 仏陀が、霊鷲山の麓で経行(歩く瞑想)をしていた時、デイバダッタは山頂から大きな岩を落とした。その岩の破片が仏陀の足の指に当たり、仏陀は流血することとなった。。。。。。。 これを仏陀身体の出血といい、重業となる。。。。。、。。。 デイバダッタは、もう一つの重業もなしたーーサンガの分裂である。。。。。。 比丘または比丘尼が会議を開いている時、即ちサンガ(の構成員)が集まっている時を利用して、サンガを2つに分けようとしたのである。。。。。。。。 これをサンガの分裂という。。。。。。 デイバダッダは、仏陀がサンガを指導することによって非常に多くの供養を受けるのを見て嫉妬した。。。。。。 ある日の会議のとき、半分の比丘達を説得して、特に、出家したばかりの若い比丘達を連れて出て、サンガ全体を真っ二つにしようとした。。。。。。。 仏陀は、シャーリプトラ尊者とモッガラーナ尊者に、若い比丘達を連れ戻す様にと言った。その為、シャーリプトラ尊者とモッガラーナ尊者は、デイバダッタの後をついて行った。。。。。。 デイバダッタは、二人の首席弟子も自分について来るのかと思い、非常に喜び、シャーリプトラ尊者に説法してくれる様に頼み、自分は鼾をかきながら大いに眠った。目が覚めてみると、総ての弟子は、二番目の首席弟子に連れられて元のサンガに戻っていた。。。。。。。。 デイバダッタは、一生の内において、ニ種の重業をなしたのである。。。 一つは仏陀の身体を出血させる事、もう一つはサンガの分裂である。故に、デイバダッタは、死後阿鼻地獄に落ちたのである。。。。。。。 反対に、善の重業はジャーナである。ジャーナは、臨終のその一刻において、それを保持することができたならば、重業となる。。。。 もし、臨終の一刻にそれを保持出来ないのであれば、色界や無色界に生まれ変わる果報を生じることは出来ないが故に、重業とはならない。。。。 この種の重業は、次の一世において、必ず果報を生じるものである。