Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(83ー8/9)(私家版)

6.4増上              (1)欲増上。(2)精進増上。(3)心増上。(4)観増上。。。。        増上法とは、所属の心を支配して、艱難な事柄を実行させる、又は完成させる。又は重要な任務を遂行する事を言う。増上法と根の間の違いは、支配の程度と範囲である。増上法は、心全体を全面的に支配し、整備する。根は、ただ、その範囲内において、その支配の能力を発揮する。故に、一個の心の中において、多くの根が存在する事ができる。例えば、色塵が眼根を衝撃した時眼識が生じるが、眼識と捨受が共に備わっており、眼浄色は根、捨も根、故に根は2個と言う)。しかし、同一の刹那においては、ただ一個の増上法しか存在しない。増上法は、国王の様で、唯一の統治者であり、全ての官僚を支配している。根は官僚の様であり、それぞれの区域内において支配権を擁してているが、しかし、他人の守備範囲を干渉する事は出来ない。。。7.4食(ahāra)……………                       4食:(1)段食。(2)触食。(3)意思食。(4)識食。。。          「食」は、強大な助縁として(その他の法)を維持する法である。。          経典の中において、しばしば、4食について言及されている。もし、その意味を理解する事ができたならば、以後、経典を読む場合に益である。。。。                       (1)段食:色身を維持する。段食は食べ物の事で、食べ物は四大によって構成されており、時節生色である。食べ物を飲み込んだ後、消化の火の助けを受けて、食素生色になる。食素生色は全身に分布しており、目、耳等を支え、全身に力を与える。(2)触食:受を支える。経典では、受を苦受、楽受、不苦不楽受に分けている。12縁起によると:「触の縁によって、受が生起する」と言う。触が受を維持しているのである。                (3)意思食:3界(欲界、色界、無色界)の輪廻を支える。業は思であり、かつ、業は、3界へと生まれ変わるのを導く。                   (4)識(心)食:名色を維持する。というのも、心識が生起してはじめて、心所が生起する為、心は名を維持する、と言う。   心が色を維持する事については、結生を例にすると、結生識が生起するその一刻、30個の色法が生起する。身10法聚、性根10法聚、心10法聚である。もし心がないのであるならば、30個の色法は生起する事ができない。故に、心は名色を維持すると言う。。。                論の教えでは、段食は、身体内部の四種の因によって生じた色法を維持すると言う。触食、意思食、心食の3個の食は、一切の、それと共に具生する所の名色法を維持すると言う。。。               色法に属する段食は、無記法に属し、その他の3個の食は、3種の道徳的性質(善、不善、無記)に属すると言う。