Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(86ー3)(私家版)

アーナンダ尊者(尊者はソータパナであった)が、ある日、座禅瞑想していると、縁起の法が彼の心の中において鮮明に顕現した。彼は喜び勇んで仏陀に会いに行き、仏陀に言った:「世尊、この12因縁は、大変に奥深く又殊勝です!非常に奥深く、殊勝であるだけでなく、確かに非常に奥深く、殊勝です。しかし、私の智慧の中において、明確に顕現しました。」世尊は彼を遮って言った:「アーナンダ、この様に言ってはならない。アーナンダ、この様に言ってはならない。この縁起の法は、甚だ深い相を備えている。人類が、この法に対して、知ることなく、覚醒することもないが故に、一束の絡まった糸の様に、門逸草及び波羅波草の様に、苦界から出離する事が出来ない」                 これらの草は、絡まり合って一塊になり、って慮落鳥の鳥の巣の糸の塊の様に、何が因で、何が果であるかを、見つけられない。。。                   (それと同じく)そのために衆生は、苦界、悪趣、墜処と輪廻から出離する事が出来ない。衆生が、四悪趣から出られない、解脱する事が出来ないのは、因縁の法を理解しないからである。四聖諦も又因縁の法である。仏陀の回答は、半分は褒め言葉で、半分は、アーナンダを叱責しているのである。叱責の部分は「あなたは縁起の法を簡単に考え過ぎている。それならば、あなた阿羅漢を証する事が出来るはずだか?」称賛の部分は「あなたはソータパナであるが、しかし、縁起の法があなたの心中に明確に顕現したのは得難い体験である。」