Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(108-12)(私家版)

5.天眼通:天界又は地界などの遠近の状況を見る事ができる。天眼通の中には、「生死智」も含む。即ち、諸々の有情がどの様な業で死んで、何処へ生まれ変わったかと言う事を直接知る事ができる。この神通も又我々の、因縁果報の理解をする助けてになる。仏陀の大弟子の中で、天眼通第一はアヌルッダであった。仏陀が横になって涅槃に入ろうとする時、アータンダがアヌルッダに聞いた:「今、仏陀の様子は如何に?」アヌルッダは、彼の天眼通でもって、アーナンダに告げた:「仏陀は、今初禅に入り、ニ禅に入り、三禅に入り、四禅に入り、又四禅から三禅、ニ禅、初禅と飛んで、涅槃に入られた。」       これらの神通は、皆世間に属する。仏陀は、神通を擁する弟子が、軽はずみに神通を使うのを諌めた。仏陀は言う:「もし、弟子が軽はずみに神通を使うならば、それはまるで女性が軽はずみに己の胸を見せるのと同じである。」ある種の特殊な要因のある時以外、例えば、モッガラーナ尊者は、時々地獄に行って尋ねた:「何故あなた方は、地獄に生まれたのか?」又天上に行って尋ねた:「何故あなた方は天上に生まれたのか?」その後に、人間界に戻って来て、人々に、善なる行いは天に生まれる因縁、悪の行いは地獄に生まれる因縁になる事を解説した。彼がこの様にしたのは、衆生が悪をやめて善なる行為をするのを支援したかったからである。世の人々は、神通のある人を崇拝するが、実は、最高の神通は漏尽通である。4個の漏が全てなくなる、これは阿羅漢の境地である。神通のある人を崇拝し過ぎてはいけない。煩悩を断ち切った人を崇拝しよう。。。      デイダバッタは、5個の神通を擁していたが、彼は現在、阿鼻地獄にいる。神通はあなたを助ける事はない。ただ、煩悩を断じ除く事だけが、我々を解脱させてくれる。経典では、6番目の神通に言及している。即ちそれは、観禅の修習を通して証得する所の出世間「漏尽智」である。。。