禅定の三番目の利益は、神通(abhiññānisaṃsa)である:
もし、世間神通、例えば:
宿住随念智(pubbenivāsānussatiabhiññā)
天眼通(dibbacakkhu)、
天耳通(dibbasota)、
他心通(paracitta vijānana)と
種々の神変(iddhividha)ーー飛行、水上歩行等など
を擁したいと思うのであれば、彼は、14行相に基づいて、10遍と八定(samāpatti)を練習しなければならない。<注293>。
禅定の四番目の利益は、「殊勝有」(bhavavisesāni-saṃsa)である。
もし、禅修行者が、命終える時に、梵天界に生まれ変わりたいと希望するならば、彼は、例えば、10遍、入出息念または慈心などのジャーナを、必ず、修習しなければならない。
もし、梵天界に必ず生まれ変われる様、保証を得たいのであるならば、彼は、ジャーナをば、臨終の時まで、維持して不退転でなければならない。
禅定の五番目の利益は寂滅(nirodhānisaṃsa)である:
滅定(nirodhasamāpatti)とは、
心(citta)、
心所(cetasika)及び
心生色法(cittajarūpa)の、暫定的な中断を言う。
「暫定的」とは、すなわち、一日乃至7日間を言うが、これは、彼の決意(adhiṭṭhāna)の如何によるものである。