Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

愚痴(ぐち/ouchi)

私が中国語の仏教書(原始仏教系)を翻訳していますと、よく《愚痴》という言葉が出てきます。。。。。。。。            北京語で、ouchi と発音します。。。。             愚かな、無知な、という意味です。。。。。。。。。。              先日、仏心宗福厳寺の大愚和尚さんのYOUTUBE                <一問一答> を聞いていましたら、やはり《愚痴》について、間違えて、解説していました(日本の大乗仏教の方、殆どの方が、間違って解説しています)。。。。           彼は、三毒(貪・瞋・痴)の内の<痴>の事ですが、これをば、………………………                 【痴とは、愚痴の事で、言わないでもよい事をグズグス言うこと】             と解説していました。。。。。。。           いやいや、【愚痴を言う】のは、身・口・意の中の、口業の事であり、それは、八正道の中の、正語(悪語)として語られるべきものです。。                   愚痴(ぐち/ouchi)の元の漢字、一字で書けば<痴>、三毒の内の一、即ち、その正確な定義は【四聖諦を知らない事、または因果応報を知らない、信じない事、所縁に対して無知である事】です。。。                仏陀の教えは、単純な心理学ではありません。。。。。。。               輪廻の苦を見据えて、涅槃への道を指し示すものです。。。。。。。            輪廻を認めなければ、仏陀の教えの真髄はわかりませんし、折角の説法が、皮相的になってしまいます。。。。。。              壊滅の危機にある日本仏教界を、なんとか立ち直らせようと奮闘している、大愚和尚さんの足を引っ張る気持ちは毛頭ありませんが(応援してます)、長年、葬式仏教(先祖崇拝化)であった日本の仏教界の弱点を克服していくにあたって、三蔵の内の一、アビダンマ論にも、目を向けていただけたら、幸甚です。。。。。。。。。           追加1:痴を別の言い方で言うと、愚痴ouchi、になります。愚痴は、愚か + 痴(=真理を知らない事)に分解できます。仏教で言う所の《愚痴》は、痴、即ち無知・無明の事であり、その定義を、【愚痴を言うこと】と、矮小化してはいけません。。。。。。              追加2:三毒の文脈の中で、痴(=愚痴/ouchi)を定義する時は、【四聖諦を知らない事、因果応報を認めない事】とし、《愚痴》を文字通り《愚痴(ぐち)》として解説するときは、八正道の正語(悪語)の中で語るべきです。。。。。。。。                パオ森林僧院ヤンゴン分院所属……………Paññādhika Sayalay(般若精舎)