Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(84ー12/13)(310/360)(私家版)

5.四聖諦                 仏陀は言う:「徹底的に四聖諦を知ることがないが故に、衆生は、ひとえに、輪廻の中において旋回し続けている。」       四聖諦は、(1)苦聖諦。(2)苦因(集)聖諦。(3)苦滅聖諦。(4)苦の滅に向かう道聖諦。。。。。。。           四聖諦は、仏陀の根本的な教法である。それは、彼が証悟の夜に発見し、かつ、長い弘法の期間中(45年間)、不断に重ねて開示されたものてある。四聖諦が「聖」と呼ばれるのは、聖者によって洞見され、又、至上の聖者仏陀によって教えられた諦であり、又、聖者の境地に導く事のできる教えであり、真実であり、変更できないものであり、決して嘘偽りのない、諦であるが故に(その様に呼ばれる)。。。。。。。。          生・老・病・死などなどは、決して嘘偽りではなく、変更することの出来ない事実である為、諦と呼ばれる。         (1)苦聖諦(dukkham ariyasaccam):苦には、4個の意味がある。                   圧迫(無常に圧迫されている)。。     因縁法(有為法。因縁に依って生起する)。。。               燃焼(心身が熾烈に熱される為)。    変化(常に生滅の変化の中にある為)。。仏陀は言う:「有為法は皆、無常であり、苦である。」苦は、身体上の苦だけではなく、上記の4個の意味も含む。。。。。。。             苦のパーリ語「dukkham」は、2個の文字から構成されている。「du」の意味は、「邪悪な」で、「KKham」は、楽しくない、楽しいと言えない、「空洞である、実体がない、変化するものである」。。。。。             苦は空洞であり、変化するものであり、無常であり、無我であるから、悪である。。。                   パーリ語の語彙、語根を研究すると、その意味を容易に理解することができる。。。  我々、一般的に理解する所の苦と、パーリ語で言う苦の意味は異なるのである。