Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

興奮とは何か?

今朝のWEBで【アメリカ・ドジャースで活躍中の大谷選手が、自分の信頼していた通訳氏に大金(7億弱)を窃盗された、という声明を出した】とニュースにありました。(ギャンブルの穴埋めとしての7億円……本格的な調査、全容解明は、これからでしよう)。。。。。。。。。。。         この通訳氏は、ある時期からギャンブルに嵌まり、ギャンブル依存症になっていたのだとか。。。。。。。。。。。。。。               ギャンブル依存症、又、他の依存症もそうですが、それをする時のワクワク感、脳内にドーパミンが増えていく時の多幸感、一度、こういうものを味わうと、他人の迷惑、己の道徳的危機等に無頓着になり、心は、全く自制が効かなくなるのでしよう。。。。。。              私たち南伝仏教(原始仏教)の構成員は、座禅瞑想の修行に取り組むのが、本分です。。。。。。。。。。。。。。                 出家して、サンガに加入したならば、家族の事、財産、お金の事は横に置いて、座禅瞑想に打ち込みます。。。。。。。。。。           そして、ある時、心の静寂を覚知するに到ります。これを初禅と言いますが、初禅の体験では、喜(pīti)の心が湧き上がり、非常に大きな喜びが、伴います。。。。。             この時の〈喜の体験〉は、脳内ドーパミンに依存しておりません。心は完全に脳から離れている為、喜は100%、心(と心所)によって喚起されます。。。。。。。。。          初禅を体験する事は、修行者にとっては栄誉な事ですが、修行者によっては、この喜体験に執着してしまう事があります。この時、指導者は『初禅、喜を捨てて、喜のない三禅を目指せ』と励まします。。。。。。。。。。。。。。。。。。      最高度の四禅(数え方の違いで五禅とも言う)を得た者は深い洞察力、鋭利な智慧を伴う心眼を得、宇宙、世界の存在・構成のカラクリに気が付き(注)、顛倒夢想の煩悩から解放されて、100%の、心の自由を得る事ができます(初禅でも相応の悟りを得る事はできます。)。。。。。。。。。               ギャンブル等、又、TVを見たり、ラジオを聞いたりして、脳の興奮と連動して心が興奮する事は、実は、非常に疲れる体験なのです。。。。。。。。。。。。。。。。             瞑想を良くする者は、起心動念するだけで、心身に疲れを感じる事を、毎日体験しています。。。。。。。。。。。。。。。                  初禅における(ある程度)清らかな喜心 Pīti、その Pīti を捨てて向かう先の、極めて静かな静寂。。。。             これが仏陀の教える、こよなき幸せなのです。。。。。。。。。。。。。。。。。。。                   (注)=五蘊、即ち、色受想行識は刹那生滅しており、故に無常・苦・無我、空である事。。。。。。。。。。。。。。                 Paññādhika Sayalay (般若精舎)