【戒を守って死んだ比丘】 昔、インドの大道叢林(Mahāvattani)の中に、一群の強盗がいた。彼らは、一人の長老比丘を捕まえて、藤の蔓で縛った。。。 強盗達は、彼らが森林の中に住んでいるのを他人に知られたくなかったので、長老を解放しなかった。。。。。 長老は、本来なら藤蔓を切って逃げる事が出来たが、藤蔓を切るのは罪(巴吉帝亜)になる為、長老は敢えて自らを救う事をしなかった。長老は強盗によって藤蔓で縛られたまま土の上に横たわり、生きる事を諦め、7日間観禅を修して、不還果を証し、死後、梵天に生まれた。。。。 ランカ島(スリランカ)に、同じく羅勒蔓(ローレイマン〜注1)に捕まった長老がいた。この時、突然、森林火災が起きた。彼は本来なら縄を断ち切って逃げる事が出来たが、生きるより戒を守る事の方が重要であると省思して、その様にはしなかった。長老は禅の修行に入り、烈火燃え盛る中で亡くなった。死ぬ時、すでに阿羅漢であった。その後、500人の比丘を連れた長部誦者無畏長老(Thero Dīghabhānaka Abhaya)が発見して、かつ、本人であると認定し、火葬して後、塔を建て、その舎利を供養した。。。