『智慧の光』(3-3)<K氏依頼分>
もし、あなたがそれらに注意を払うならば、あなたは四界分別観を修行している事になり、それは入出息念ではなくなる。共相とは、息の無常、苦、無我の三相の事である。この事は、“入る、出る、無常“ 又は“入る、出る、苦“ 又は “入る、出る、無我“ と注意を払ってはならないという事である。というのも、この段階における入息と出息は、なお概念(pa@atti)(注20)に属するが故に。。。………………………………………… 概念は、観禅の修習の対象、即ち、法(dhamma)ではない。唯一、究極法(paramattha)(注21)だけが観禅の目標(所縁)なのである。結生心を除いて、心所依処 (hadaya vatthu) に依存して生起する所の全ての心は、入息と出息を生じさせる事が出来る。。。…………………………………………もし、究極法を観ずる修行に転換したいのであれば、あなたはこれらの心生色法 (即ち、出息、入息) の四界を識別しなければならない。入息と出息は皆、多くの、非常に微細な色聚(rāpaママkalāpa)である。一粒一粒の色聚の中には、九個の色法が存在する。即ち、地、水、火、風、色彩、香り、味、食素及び音声である。。………… その中の音声は、異なる色聚の中の地界がお互いに衝突し合って生じる音の事である。即ち、呼吸音である。。。。……………………もしあなたが、この九種の色法を系統的に識別する事が出来るならば、あなたはそれらの生・滅を無常として観ずる事が出来、それらが不断に生・滅の圧迫を受けるのを、苦として観ずる事が出来、又、それらには、破壊される事のない実質が存在しないのを、無我として観ずる事が出来る。。……… この様なレベルに到達していないならば、あなたは概念を観じて、無常としているものであって、これは入出息念の修行方法ではない。故に、入出息念で以て、定力を育成しようとする時は、四界の自性及びその生滅の共相に注意を払ってはならず、ただ、出入息の概念に専注するべきである。。。………………………………………………………………これこそが、あなたが定を育成する為に実践する入出息念の目標である。もし、あなたが過去世において、この禅法を修行した事があり、波羅密を累積しているならば、この方式で以て、息の概念に対して専注するならば、あなたは簡単に、入息と出息に対して専注する事ができる。。………………………………………………………………………★願以此功徳、早日証得涅槃楽! 緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属Paññādhika Sayalay (般若精舎)