南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

『智慧の光』(6-8/9)<K氏依頼分>

(原稿P15)あなたの嫌いな人に対する慈心の修習…………………………………………………………………………                     あなたは、あなたの嫌いな人に対して、まずは一体、どの様な対象を、慈愛を散布する人物として選ぶのか?………………………………  まずは、あなた自身がその人に対して、ただ少しばかりの怒りの念の有る人を選んで慈愛を散布する。あなたが極めて恨んでいる人は、最後に残して置く(のがよい)。  修行の実践をする時、あなたは、先に、あなたの敬愛する人、あなたの親愛なる人、あなたちとって、好感も不快感もない人に、慈愛を散布する。そして、慈心が強くて力のあるものに変化したならば、禅定の光をあなたが嫌いな同性の者に向けて照らす。その後に、彼に対して“この善き人に仇敵のない様に願う。この善き人に内心での痛苦のない様に願う。この善き人に身体上の痛苦がない様に願う。彼が愉快であり、己を大切に、尊重する様に願う。“と慈愛を散布する。ジャーナを証得するまで、どれか一つの方式を選んで修習する。もし、ジャーナを証得する事ができないならば、《清浄道論》で述べられている所の、種々の方法によって省察する。注33。。人が食事をする時、自分が食べない骨を捨てて、己の好きな肉だけを食べる。人は、それぞれ、ある種の可愛い所、敬愛すべき長所がある。ここにおいて、あなたは、あなたが嫌いな人の、何らかの醜い所、耐え難い卑劣な所等の欠点を気にしてはならない。ただ、彼の長所のみを省察する。その後に再度、彼に慈愛を散布する。もし、この様にしても尚、ジャーナを証得する事ができないのであれば、省察する方法に変更する。仏陀は《無始相経》(AnamataggaSa@yuttaママ)注34の中において、以下の様に言う:過去の無始の長い輪廻の中において、お互いに父でなく、母でなく、子女でなく、兄弟でなく、姉妹等の眷属でなかった者を見つけるのは非常に難しい、と。あなたは、以下の様に省察するべきである:“今、我々はお互いに恨み合う事があるかも知れない。しかし、過去世において、彼又は彼女は、私の非常に親愛なる息子又は娘であったかも知れないし、又は私が彼の息子、娘であったかも知れない。“この様に省察した後、彼に慈愛を散布する。この様にすれば、慈心ジャーナを証得する事ができるであろう。   ★願以此功徳、早日証得涅槃楽!