(原稿P16) ………………………………………… 限界突破……………………………… その後、あなたは更に進んで、限界突破(sãmã sambhedaママ)の修習を実践しなければならない。sãmãは限界、sambhedaは突破。限界とは何か?ある人に慈愛を散布する事は出来ても、もう一人の別の人には出来ない、これは限界が存在している為である。心境を平静にして、区別、差別のない様にまで修行するには、人間関係の限界を突破しなければならない。あなたは四種の人の々に、順序に従って慈愛を散布しなければならない。即ち、己自身、あなたが好ましいと思う人、あなたにとって好感も不快感もない人、あなたが嫌っている人、である。再度明言するが、己自身に慈愛を散布する実践では、ジャーナを証得する事は出来ない。(この修行は)己の体験を通して、他人を慮れる様になる、その様に用いる為のものである。……………………………… 先に、以下の様に思惟する:私に仇敵のない様にと願う。私に内心の痛苦にがない様にと願う。私に身体上の痛苦がない様にと願う。私は愉快で、己を大切にし、己自身を尊重する様に願う。“ 三、四回実践し、これを基準として、再度思惟する:“この様に、私に仇敵がない様にと願うならば、他人も又、彼に仇敵のない様にと願う。この様に、私に内心の痛苦がない様にと願うならば、他人も又、彼に内心の痛苦がない様にと願う。“等等。…………………… この様に三、四回思惟して後、四種の方式で以てあなたの好ましい人に、第三禅を証得するまで、慈愛を散布する。その後に、同様の、四種の方式で以て、あなたにとって好感も不快感もない人に、第三禅を証得するまで、慈愛を散布する。唯一、この様に実践した後に初めて、同様の四種の方式で以て、あなたの嫌いな人に、第三禅を証得するまで、慈愛を散布する。……………………………………………………………… 次に、あらためて、己自身、あなたが好ましいと思う人、あなたにとって好感もないが不快感もない人、あなたが嫌いな人に、慈愛を散布する。これらの人々に第三禅を証得する事が出来るまで慈愛を散布する。成功したならば、あなたは、それぞれの種類の人々に対して、再三再四、繰り返し、慈愛を育成しなければならない。この様に修習して、慈心が極めて強くなった時、どの様な現象が起きるであろうか?…………………… 慈心はやがて、己自身に対して、あなたが好ましいと思う人に対して、あなたが好感も不快感もない人に対して、あなたが嫌いな人に対して、四者皆平等になり、誰かに対して偏愛する事はなくなるのである。この時、あなたは限界を突破したのだと言える。 …………………………………………………………… 《清浄道論》において、以下の様な比喩がある:もし、誰かがあなたに、この四者の中から誰か一人を選んで殺す様に言われた場合(その他の三人の命を守る為)、もし、あなたがその中の、誰か一人を選ぶ事ができるならば、あなたの慈心は未だ平等ではない。しかしながら、もしあなたが、一人一人に対して平等であるならば、どの一人をも選び出す事はできないのである。この時あなたはすでに、限界を突破したのであると言える。。 ……………………………………………………★願以此功徳、早日証得涅槃楽!