南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

「四煩悩を断つ」(「断除四煩悩」翻訳文)-2

一、四つの煩悩

  1. 我見――仏を学ぶ前に、まず修養を学ぶ

我々は、自分が見たものが正しいと思い、かつ自分が見たものに執着し、他人を排斥し、他人を攻撃する。一たび自己の見解が確立すると、それがいくら間違ったものであったとしても、絶対に手放そうとはせず、死守するのである。このような間違った見解は人の内部に長く温存され、それでもって自己を保護しようとする。まさに、人は、<人生とは縁によって生じ、縁によって滅する>という道理を理解しないが故に、自己の見解が絶対に正しく、超越しており、永久なのだと錯覚するのである。

夫婦はなぜ喧嘩するのか?見解が異なるがために。兄弟はなぜ喧嘩するのか?見解が異なるがために。上司と部下はなぜ争うのか?見解が異なるがために。強烈な我見(私の見解)の為に、彼我の間に本来不必要な確執が多く起こる――これが我々の煩悩の根なのだ。

故に、私は皆さんに、いまはまずは<仏に学び解脱を求める>などという事は横において、先に実践しなければならない任務、それは修養である、と言いたいのである。

               (台湾高雄文殊講堂 慧律法師著

                翻訳文責 Pañña-adhika sayalay)