Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

「四煩悩を断つ」(「断除四煩悩」翻訳文)―17

一人の徳行ある人は、必ず下記の四つを備えている:

すなわち、慈、悲、喜、捨である。

慈――人に楽を与える事。あなたの苦痛を知らせたならば、

その人は無条件で支援してくれる。

悲――苦しみを抜き去る。あなたに苦痛がある時、それを

抜き取るのに、おしみなく支援してくれる。

喜――一日中喜びの心で生活している。あなたが彼に出会う時、

あなたはその暖かさを感じる事ができる。外見が多少厳粛で

あっても、あなたが近づくと、彼の慈悲を感じ取る事ができる。

捨――布施、捨てる行為。

広欽老和尚は、よく我々に言ったものだ:

「自分を世界で最も役に立たない人間だと思いなさい。そうすれば、

煩悩は減るであろう。

まさに、人々が、自分こそが世界で最も有用な人間であり、

特別な人間であると思うからこそ、煩悩は生まれる。

自分を大した人間だと思えば、自尊心はどんどん高く、大きくなり、

他人がその下で少しばかり体を揺らすと、高く聳えた自尊心は、

グラグラと動いて危険な状態になる。

自分を平凡な人間であると自覚する時、心の内にやすらぎが生まれる。

私は一人の平凡な人間であり、ここに座っておられる方々の方が

立派である、と常に思っている。

故に、私は誰かが私を攻撃する言葉を聞いても、私を害し、誹謗する

言葉を聞いても、これを受け入れる事ができる。というのも、私は

元々、根っからの凡人であり、何らの長所もなく、長所はみな他人の

持ち分だと、思っているからである。

人が私を批判するのは、しごく当然のことだと、私は思っている

のだ」と。(つづく)

             (台湾高雄文殊講堂 慧律法師著

              翻訳文責 Pañña-adhika sayalay)