慙愧の心は菩提心ーー
皆さん、以下の二つの言葉を、覚えておいて頂きたい。
「毎日反省します。自分は、他人に対して、理不尽な事を
していないかどうか。自分が他人に何かされても、それは
忘れます」。これが、一つ目。
二つ目は「毎日、己が果たすべき責任を、きちんとは果た
しているかどうか、観照しましょう。他人が出来ているか
どうかは関係なく、ただ己のみ反省し、他人を責めては
ならない」。
一人の、慙愧の心を持つ人間は、自分が他人に何か迷惑を
かけていないかどうかを心配するものであって、一日中、
他人の欠点を探すような事はしないし、また他人に
「俺様にどうしてそのような事をするんだ!」などと
言って、怒ったりはしない。
慙愧の心とは非常に重要な心性であり、慙愧心があって
初めて「一日三省」することができる。
「一日三省」してこそ、自己を振り返り、真に反省する
事が出来る。
慙愧の心とは、すなわち菩提心である。
<華厳経>の中で、慙愧の心のある人間は、悟り(覚醒)
の心を持つ人間である、と書かれている。
慙愧の心のない人間は、覚醒する事がない。
所謂慙愧とは、己の行為に責任を持ち、他人を恨むことの
ない人間をいう。
己が、己の良心に愧じる事がないと知った時、他人から何を
言われようが、動揺する事はない。(つづく)
(台湾高雄文殊講堂 慧律法師著
翻訳文責 Pañña-adhika sayalay)