<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
1、故意ではない場合ーー
当該の行動を取る時、たとえば、「私はこの蟻を殺してしまおう」とは考えておらず、しかし、不注意で死なせてしまった時等。
2、知らない場合ーー
例えば、よく状況を知らないままに、有毒の食べ物を犬に上げた所、犬が中毒で死んだ、などの場合。
実情を知らなかったが故に、不犯である。
3、相手を死なせる意図がなかった場合ーー
例えば、人が病気になり、その病人に薬を届けた所、副作用で亡くなった。
この場合、相手に対して、死を望む意図はなかった為、殺生は不犯となる。
しかし、病人に勝手に薬を渡すのは、止めた方がよい。
4、精神病者ーー
胆汁の関係で、治療不可能な精神病を発症した場合。
5、乱心者ーー
夜叉等の関係で、心が惑乱した者。
火と黄金、糞便と檀香が同時に出現した時、好悪の判断が出来ない。
これを基準として、乱心者か否かの判定をする。
(9)
問:不与取に関して、もう少し詳細に説明して下さい!
答:「不与取を離れる学処」は、パーリ語の直訳です。通常、不偸盗戒と訳す事が多い。偸盗をしないという戒です。
《律蔵》と<波提木叉(Pātimokkha、比丘、比丘尼の戒本)>の註釈書である《普端厳》と《疑惑度脱》では、偸盗には、25種類の方式がある、としている。
偸盗の25種類の方式とは、五種類と五つの方法で構成されている;
一、色々の種類の財物に関する五法。
二、一種類の財物に関する五法。
三、自らの手に依る五法。
四、前方便の五法。
五、偸盗の五法。
(5-5につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
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<「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」
中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>