南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

《Vipassanāハンドブック》21-1(F)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

(二十一)三相

いわゆる三相(法印)ーー三個の明確な標記または、その特徴とは:

1、無常相(anicca-lakkhaṇa):

すべての人、事、物は無常である事。

2、苦相(dukkha-lakkhaṇa):

諸々の苦が逼迫する相。

3、無我相(anatta-lakkhaṇa):

現象界には永恒不変な実体はない事。

一、無常相

無常相とは、変異(vipariṇāma)と、継続生起の変異(aññathābhāva)の範囲内の、特性を言う。

Vipariṇāmaは、異変を意味するか、または性質にしたがって生じる所の、一種の徹底的変化を言う。

この種の変化は、現在の状況から、非現在の状況に転変する事である。

Āññathābhāva は、継続生起の異変を言う。

もし、心の角度から言えば、異変と継続生起の範囲内において、我々は、非常に明確に見て取ることができる:

色法と心法は、この二者の範囲内であり、それらは真に無常である事を。

故に、我々は言う:

「無常相は変異と継続生起の異変の特徴である」と。

我々が夜に燃やす所の(+ローソクの)炎を、子細に観察し、また分析する時、我々は、炎及びそれにおける五つの特徴に注意する。

すなわち:生起、発展、持続、衰退及び止息である。

我々は、炎が短時間に生起するのを見るが、これは物質の生産であるものの、これは火ではない。我々は火焔が生起するのを観察した後、不断に発展(developing)するのを見るが、これは物質の成長(growth)である。しかし、これは火ではない。我々は、火焔が継続して燃焼するのを見るが、これは物質の持続であり、しかし、これは火ではない。

我々は、火焔が減衰するのを観察するが、これは物質の衰退であり、しかし、これは火ではない。

我々は、火焔が徐々に消失するのを観察するが、これは物質の止息である。しかし、これは火ではない。

火の特質は当然ながら、熱である。

火焔が揺れるのは、この五つの顕著な特徴にすぎない。

キャンドル立てが運ばれるとき、火焔は揺れるのを見て、人はこう言うかも知れない:

「灯火の揺れは、風によるのだ」と。

この五つの顕著な特徴は、火焔の継続生起の変異であり、無常相である。

この五つの顕著な特徴を観察する事と注視する事を通して、火焔の無常を理解することができる。同様に、すべての移動出来るものは、皆、無常である。

人間の目は、最も微細な原子の移動を見ることができないが、大自然の秘密の顕示者ーー顕微鏡の支援の下であれば、我々は、微細な原子の移動を見ることができる。

(21-2につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

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<《Vipassanāハンドブック》 (原題 Vipassanā Dipanī)

Ledī sayādaw著 中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>