《Vipassanāハンドブック》21-1(F)
<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
(二十一)三相
いわゆる三相(法印)ーー三個の明確な標記または、その特徴とは:
1、無常相(anicca-lakkhaṇa):
すべての人、事、物は無常である事。
2、苦相(dukkha-lakkhaṇa):
諸々の苦が逼迫する相。
3、無我相(anatta-lakkhaṇa):
現象界には永恒不変な実体はない事。
一、無常相
無常相とは、変異(vipariṇāma)と、継続生起の変異(aññathābhāva)の範囲内の、特性を言う。
Vipariṇāmaは、異変を意味するか、または性質にしたがって生じる所の、一種の徹底的変化を言う。
この種の変化は、現在の状況から、非現在の状況に転変する事である。
Āññathābhāva は、継続生起の異変を言う。
もし、心の角度から言えば、異変と継続生起の範囲内において、我々は、非常に明確に見て取ることができる:
色法と心法は、この二者の範囲内であり、それらは真に無常である事を。
故に、我々は言う:
「無常相は変異と継続生起の異変の特徴である」と。
我々が夜に燃やす所の(+ローソクの)炎を、子細に観察し、また分析する時、我々は、炎及びそれにおける五つの特徴に注意する。
すなわち:生起、発展、持続、衰退及び止息である。
我々は、炎が短時間に生起するのを見るが、これは物質の生産であるものの、これは火ではない。我々は火焔が生起するのを観察した後、不断に発展(developing)するのを見るが、これは物質の成長(growth)である。しかし、これは火ではない。我々は、火焔が継続して燃焼するのを見るが、これは物質の持続であり、しかし、これは火ではない。
我々は、火焔が減衰するのを観察するが、これは物質の衰退であり、しかし、これは火ではない。
我々は、火焔が徐々に消失するのを観察するが、これは物質の止息である。しかし、これは火ではない。
火の特質は当然ながら、熱である。
火焔が揺れるのは、この五つの顕著な特徴にすぎない。
キャンドル立てが運ばれるとき、火焔は揺れるのを見て、人はこう言うかも知れない:
「灯火の揺れは、風によるのだ」と。
この五つの顕著な特徴は、火焔の継続生起の変異であり、無常相である。
この五つの顕著な特徴を観察する事と注視する事を通して、火焔の無常を理解することができる。同様に、すべての移動出来るものは、皆、無常である。
人間の目は、最も微細な原子の移動を見ることができないが、大自然の秘密の顕示者ーー顕微鏡の支援の下であれば、我々は、微細な原子の移動を見ることができる。
(21-2につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
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<《Vipassanāハンドブック》 (原題 Vipassanā Dipanī)
Ledī sayādaw著 中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>