Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳『禅修指南』(2-14)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

《大疏鈔》は、この件に関する結論を、以下の様に言う:

Dibba cakkhulābhino viya taṁ monoviññāṇa、viññeyyamevāti vuttaṁ viya dissatīti.

ーー「まさに、天眼を得た者の様に、彼は意識でもって、種々の(外部にある)目標を見ることができる。」

彼は、心所依処(hadaya vatthu)によって生起した所の、意門速行心(manodvārika javana citta)によって見るのであって、眼浄色によって生起する所の眼識によって、見るのではない。

禅修行者が、止禅心と観禅心を育成する時、もし、彼が識別しようとするならば、多くの外部にある目標を見ることができる。

特に、慈心観の修習をする禅修行者は、「願わくば、一切の天神が、危機を脱します様に」という方式で、慈愛を散布する時、その光が外部に拡散するため、彼は、多くの天神を見ることができる。

同様に彼が、「願わくば、一切の悪趣に堕ちた者」の方式で、慈愛を散布するならば、彼は、多くの苦界の有情を、見ることができる。

これは、止禅心によって生じた所の、光明の威力の致すところである。

彼は、意識でもって見ているのであって、眼識で見ているのではない。

もし、この種の光明がないのであれば、彼は、外部にある 31界(注2)の名色法を、見る事は出来ない。

(注2)南伝仏教では31界を言う。すなわち:地獄、畜生、餓鬼、阿修羅(四悪趣)、人界、六欲界天、16色界天及び無色界天。

北伝では28天を言う。南伝の第四禅天には、福生天と無雲天がなく、故に、26天となる。《アビダンマッタサンガッハ》(Abhidhammatthasaṅgaha)の「離心路過程の概要」及び《法聚論》(Dhammasaṅgani)参照の事。

(2-15につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。

<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版

中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>