南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

般若の独り言~すべての事には時がある

すべての事には時がある・・・キリスト教の言葉ですね。

生まれるに時あり、死ぬに時あり、植えるに時あり、抜くに時あり・・・。

私は、30歳をいくつか過ぎた頃、日本の大乗仏教界に絶望して、いよいよテーラワーダの勉強をしたいと思った時、運よく、アーチャン・チャーのお弟子さんと出会いました。

彼は「自分のお寺に来てもよい」と言ってくれたので、私は早速、タイの西部、カンチャナブリのワット・パー・スナンタまで、出かけたものです。タイ語はたった一言「ニーアライ?」(これは何ですか?)だけを武器にして。

50歳の時、台湾で、パオ・セヤドーの『智慧之光』(中国語)という本に出会いました。

この本の、最初のページを読んだだけで、これは私の運命を変える本だ!

と気が付きました。

その本を持って、翻訳の許可を貰いにパオ・セヤドーにお会いした時(セヤドーが来日したので)、セヤドーは

「翻訳なんてしなくいいので、モーラミャインに修行に来なさい」

とおっしゃいました。

私は、モーラミャインがどこにあるかも知らない、緬甸語も英語もできないのに、熱にうなされる様に、緬甸の東端にある、パオ森林僧院を目指して、バンコクからヤンゴンへと飛んだのでした。

あなたが正法を求める時、それには時があるのです。

正法の指導者が、あなたの前に立っているのに、あなたは今、風が吹いて寒いだの、陽が照って熱いだのと言って、指導者の目を見ようとしない、指導者の差し出す手を拒否するのであれば、あなたは一生、正法に出会えない。

そして、その蹉跌、その蹉跌から生まれる人生の損失から、いかに仏陀であっても、あなたを救い出す事はできない。

すべての事には時がある・・・味わい深い言葉だと思います。

 <緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>