南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』#12-14

第四節 第二と第三聖諦を知見する

しかしながら、涅槃を証悟する為には、我々は苦集聖諦を知見しなければならない。

仏陀は《転法輪経》(Dhammacakkappavattana Sutta)の中において、以下の様に解説する:

「比庫たちよ、

これは苦集聖諦であるーー

この愛(taṇhā)が、再びの有を引き起し、喜、貪を俱し、処々において喜楽する、それはすなわち、

[1]欲愛(kāmataṇhā)

[2]有愛(bhavataṇhā)

[3]無有愛(vibhavataṇhā)。」(S.5.1081)

仏陀は、苦集聖諦を詳細に解説して、(それを)縁起(paṭiccasamuppāda)<注66>と呼ぶ。

「比庫たちよ、

何が苦集聖諦(Dukkhasamudayamariyasaccaṃ)であるか?

[1]無明(avijjā)の縁によりて行(saṅkhārā)(あり、以下同様)、

[2]行の縁によりて識(viññāṇa)、

[3]識の縁によりて名色(nāmarūpa)、

[4]名色の縁によりて六処(saḷāyatana)、

[5]六処の縁によりて触(phassa)、

[6]触の縁によりて受(vedanā)、

[7]受の縁によりて愛(taṇhā)、

[8]愛の縁によりて取(upādāna)、

[9]取の縁によりて有(bhava)、

[10]有の縁によりて生(jāti)、

[11]生の縁によりて

[12]老、死(jarā-maraṇa)、愁(soka)、悲(parideva)、苦(dukkha)、憂(domanassa)、悩(upāyāsā)。

この様にして、苦蘊全体が生起する。

比庫たちよ、

これを苦集聖諦と言う(Idaṃ vuccati、bhikkhave、dukkhasamudayaṃ ariyasaccaṃ)。」(A.3.62)

上記の事柄は、同じく如実知見しなければならない。ある一生の五種類の因(無明、行、愛、取と有<注67>)が、如何にして再生、すなわち、五種類の果(識、名色、六処、触と受)を齎したのかを、知見しなければならないのである。

あなたはこの一連の過程が如何にして生じ、連続し、輪転して止まる事がない事を見る必要があるのである。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>