Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳『親知実見』#12-25

四、完全に四聖諦を証悟する

この段階に到ると、あなたは四聖諦を如実に証悟するであろう。そして、それが成し遂げられるのは、すべての必要とされる条件が、完全に整ったが故である。

先の述べた所の《尖頂閣経》(Kūṭāgāra Sutta)の中において、仏陀は、どの様な条件が具備されて初めて、苦の完全な止息が可能であるかを、述べている:

「比庫たちよ、

ある人がこの様に言ったとしよう:

『私は尖頂閣の下部の部屋を建設した後、上部の部屋を建設する』これは実現可能である。

同様に、比庫たちよ、

もしある人がこの様に言うならば:

『[1]私は已に如実に苦聖諦を証悟した、

[2]私は已に如実に苦の集聖諦を証悟した、

[3]私は已に如実に苦の滅聖諦を証悟した、

[4]私は已に如実に苦の滅に向かう道聖諦を証悟した、そうであるならば、完全に苦の解決を成す事ができる』;これは実現可能である。」

彼は更に一歩進んで言う:

故に、比庫たちよ、

[1]『これは苦である』

(idaṃ dukkhan’ti)と了知する努力をなさねばならない(yogo karaṇīyo)

[2]『これは苦の集である』

(idaṃ dukkha samudayan’ti)と了知する努力をなさねばならない

[3]『これは苦の滅である』

(idaṃ dukkha nirodhan'ti)と了知する努力をなさねばならない

[4]『これは苦の滅に向かう道である』

(idaṃ dukkhanirodhagāminī paipadā’ti)と了知する努力をなさねばならない。」(S.5.1114)

 

一切の衆生が、この度の機会を得て、必要な精進を実践し、完全に四聖諦を証悟し、かつ徹底的に諸々の苦を止息せん事を願う!

Venerable Pa-Auk Tawya Sayadaw

パオ森林僧院にて

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>