八支聖道
今、我々は、八支聖道の八つの項目について、幾つかの説明をしてみたいと思う。
第一の項目の要素は正見(sammādiṭṭhi)である。
正見とは何か?
正見は以下の四種類の智慧を含む:
1)苦聖諦に関してーー五取蘊の観智;
2)苦集聖諦に関してーー五取蘊の因の観智;言い換えれば、すなわち、縁起の観智;
3)苦滅聖諦に関してーー五取蘊の止息、すなわち、涅槃の証悟と(涅槃の)智慧;
4)苦の滅に向かう道聖諦に関してーー涅槃を証悟する為の修行方法、すなわち、八支聖道の智慧。
八支聖道の二つ目の項目の要素は正思惟(sammāsaṅkappa)である。正思惟も四種類ある:
1)心を苦聖諦に投入するーー五取蘊;
2)心を苦集聖諦に投入するーー五取蘊の因;
3)心を苦滅聖諦に投入するーー涅槃;
4)心を苦の滅に向かう聖道諦に投入するーー八支聖諦
であり、正見とは、それを如実に了知する事である。
この二種類の項目の要素は、共同で運用され、心をして一つ一つの聖諦に投入せしめ、かつそれらを了知せしめる。故に、合わせて慧学(Pañña sikkhā)と称する。