南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing #18-1

如何にして七覚支をバランスするか

もし、入出息念でもってジャーナを成就したいのであれば、七覚支(bojjhaṅga)をバランスする事もまた、非常に重要である。

それらは:

1)念(sati):忘れない事、似相を識知しつづける事;

2)択法(dhammavicaya):似相を徹底的に了知する事;

3)精進(vīriya):諸々の覚支を統合し、かつ、似相において、それらをバランスする。特に、それ自身及び択法覚支を強化する;

4)喜(pīti):似相を体験する時、心が歓喜する事。

5)軽安(passadhi):似相を所縁とする時、心と相応心所が平安である事;

6)定(samādhi):心が似相に専注する事に一境性;

7)捨(upekkhā):心の平等性。似相に対して興奮しないし、また飽きない事。

禅修行者は、すべての七覚支を育成し、バランスを取る必要がある。もし、精進が不足するならば、心は、禅修行の所縁から離れていく(ここでは似相を指す)。

この時、彼は、軽安、定と捨を修習してはならず、択法、精進と喜を修習しなければならない。

この様にして初めて、心をして奮い立たせることができる。

しかしながら、精進が過度である時、心は躁動と不安が大きくなる。この時は、反対に、彼は択法、精進、喜を修習してはならず、軽安と定と捨を修習しなければならない。

この様にして初めて、躁動して止まない心に、抑制と平安を得ることができる。

以上が、如何にして五根と七覚支をバランスするのか、という方法である。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>