如何にして無所有処定を修習するか
三番目の無色禅は、無所有処定と言う。その定の所縁は識無辺処定の対象ーー空無辺処禅心ーーの不存在である。
無所有処定を修習する為、あなたは、無辺処定の欠点を思惟しなければならない;
それは、空無辺処定を近い敵として、かつ、無所有処定の寂静には及ばない、という欠点を思惟する;
もはや識無辺処定を求めない(という決意)の元、あなたは、無所有処定のさらなる寂静の本質を思惟しなければならず、その後に、無辺虚空を所縁とする識の不存在(を対象として)それに専注する。
ここにおいて、二種類のジャーナ心が存在する。
一番目は、空無辺処禅心で、二番目は、識無辺処禅心(viññāṇañcāyatana citta)である。
一個の心識刹那(cittakkhaṇa)は、同時に二個の心識を生じさせる事は出来ない為、空無辺処禅心が存在する時、識無辺処禅心は存在しない、その反対も同然である。故に、あなたは、空無辺処禅心の不存在を所縁として取り、かつ、それを「無所有、無所有」または「不存在、不存在」と黙念する。
ジャーナを証得するまで、当該の相に持続的に専注し、その後に、五自在を修習する。
これが三番目の無色禅であり、無所有処定と呼ぶ。
<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>