南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

小入流(小ヨルカ)について

大分前のことですが、パオ・メソッドに興味のある日本の方から、

「パオ森林僧院には、多くの小ヨルカ(cūḷasotāpanna)がいると聞くが、それは本当か?」

という質問を、頂いた事があります。

20年前の、私の体験に基づいて、以下、説明します

(情報が少々古いですが~苦笑)。

20年前、私が緬甸のモーラミャインのパオ森林僧院にて、止観の修行をしていた時、パオ森林僧院には、多くの小ヨルカがいる、と聞きました。

その具体的な、私の体験談ですが・・・

パオ森林僧院では、出家修行者は、外部へ托鉢に行く人と、院内で托鉢する人に分かれるのですが、院内托鉢をする出家者の為、お寺の台所では、500~800人分の朝食と昼食を作ります。

そして、それは、基本的には、寺男、寺女たちの仕事でしたが、その食事の配膳の用意をするのは、多くは、女性出家者(サヤレー)の方々でした。

私は、それを、日本のお寺さん風に受け取って、

【彼女たち(サヤレー方)は、行儀見習いの為に、お寺に来て、台所の手伝いをしているのだ】

と思っていました。

所が、

『イヤイヤ、とんでもない。

彼女たちは修行が進んで、すでに小ヨルカであるから、多少、修行の歩みを緩めてもよく、故に、配膳の手伝い、台所の手伝いをしているのだよ』 

と、教えてくれる人がいました。

では、小ヨルカは、どの様な修行をして、どの様なレベルにいる方々でしょうか?

私が現在翻訳している所の、『親知実見』 中国語原文P237(翻訳文#35-12~#35-14)辺りが参考になりそうです。

中国語原文P237には、

<小ヨルカとは、止観の瞑想修行を通して、縁摂受智または生滅智または行捨智を擁する者>

とあります。涅槃体験は必要ない様です。

小ヨルカに興味のある方は、

『親知実見』<#35-12~#35-14>

の翻訳文をご参考下さい。

<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>