翻訳『親知実見』#35-24
問4-7:仏陀は大阿羅漢です。では、仏陀とその他の阿羅漢弟子、例えばシャーリプトラ尊者とマハーモッガラーナ尊者とは、どの様に違いますか?
答4-7:仏陀の阿羅漢道は、必ず、一切知智(Sabbaññuta-ñāṇa)と相応している。
しかし、弟子の阿羅漢道は、その様ではない。
弟子の阿羅漢道は、三種類の弟子菩提(bodhi)が含まれる;
1)上首弟子菩提(aggasāvaka bodhi)
2)大弟子菩提(mahāsāvaka bodhi)
3)普通弟子菩提(pakatisāvaka bodhi)。
弟子の阿羅漢道は、ある時には、
四無礙解智(Paṭisambhidā-ñāṇa)<注252>と相応し、
ある時には、
六通(abhiññā)<注253>と相応し、ある時には、
三明(tevijja)<注254>と相応し、ある時には、
純粋に、ただ阿羅漢道であったりする;または
俱分解脱(ubatobhāgavimutta)<注255>、または
慧解脱(paññāvimutta)<注256>であったりするが、
しかし、
一切知智(Sabbaññuta-ñāṇa)と相応することはできない。
故に、シャーリプトラ尊者と、マハーモッガラーナ尊者の阿羅漢道は、みな、一切知智とは相応しない。
或いは、仏陀の阿羅漢道は、一切知智に相応するだけでなく、その上に、すべての、その他の智慧、及び、仏陀が所有する所の、殊勝な徳行に相応するのだ、と言える。
このほかに一点、諸仏は(ハラミツが熟したのが因で)無師で、己自身で、道智、果智と一切知智を証悟するが、しかし、弟子は、唯一、仏陀または仏弟子から、四聖諦に関する法を聞いてのみ、道智と果智を証悟することができる。
教師がいないならば、彼らは、独りで修行する事ができない。これが異なる所である。