Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳『親知実見』#45-13

如何にして縁起第一法に基づいて生滅智を育成するか

その後、あなたは、縁起第一法<注376>に基づいて、この種の観智を育成しなければならない。

この様な状況の下、諸行法の因縁生を知見するために、あなたは、順序に従って、逐一、縁起の諸々の支を照見し、かつ以下のものを観照しなければならない<注377>:

[1]無明(avijjā)の縁によりて、行(saṅkhārā)が[生起]する。

[2]行の縁によりて識(viññāṇa)、

[3]識の縁によりて名色(nāmarūpa)、

[4]名色の縁によりて六処(saḷāyatana)、

[5]六処の縁によりて触(phassa)、

[6]触の縁によりて受(vedanā)、

[7]受の縁によりて愛(taṇhā)、

[8]愛の縁によりて取(upādāna)、

[9]取の縁によりて有(bhava)、

[10]有の縁によりて生(jāti)、

[11]生の縁によりて

[12]老死(jarāmaraṇa)、愁(soka)、悲(parideva)、

苦(dukkha)、憂(domanassa)、悩(upāyāsa)。

この様にして、この苦蘊の全体が生起する。

阿羅漢の証悟と、その後の、般涅槃の時の、諸行法の因縁滅を知見する為、あなたは、順序に従って、逐一、縁の滅する所の諸支を照見しなければならないし、また以下のものを観照しなければならない<注378>。

[1]無明の無余に離(離れる)、尽(尽きる)によりて、行が滅する。

[2]行が滅するが故に、識が滅する、

[3]識が滅するが故に、名色が滅する、

[4]名色が滅するが故に、六処が滅する、

[5]六処が滅するが故に、触が滅する、

[6]触が滅するが故に、受が滅する、

[7]受が滅するが故に、愛が滅する、

[8]愛が滅するが故に、取が滅する、

[9]取が滅するが故に、有が滅する、

[10]有が滅するが故に、生が滅する、

[11]生が滅するが故に、

[12]老、死、愁、悲、苦、憂、悩が滅する。

この様にして、苦蘊の全体が滅尽する。

先ほど、あなたが諸行法の因縁の生・滅と刹那生・滅を観照した様に、(次に)あなたは、順序に従って、逐一、諸々の支の縁起と縁滅を照見する。

例えば、無明に関して、あなたは以下の様に観照する;

1)無明の縁によりて行が生じる。

2)無明の無餘の離、尽により、行が滅する。

3)無明は、無常である。行は無常である。

同様の方式でもって、内外交替して、過去、現在と未来の、一つひとつの縁起支を観照する。

以上は、諸行法に対して、生滅智を育成する所の、非常に簡単な説明である。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>