★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(7-9)(私家版)
世間的な財産を手に入れた人々は、嫌でも、争奪戦の苦を引き受けなければならない。
また、政治・官僚によって引き起こされる多くの苦悩を見てみよう。
当事者は、死後、他人を鞭打った悪行が原因で、悪趣に生まれ変わる。
世間的な財産を手に入れるのは苦であり、世間的な財産を守るのもまた、苦である。
世間的財産は、禍の元である。
どれだけ多くの人々が、これ故に、死後、悪道に堕ちた事か。
故に、智者は、世間的欲楽の過患を見て、それを捨棄し、世俗の生活から遠く離れて、出家し、修行する。
愚者には、世間的欲楽の過患が見えない為、彼らは煩悩によって誘惑され、引き続き欲楽に粘着し、今生において苦の味を味わうだけでなく、来生においてもまた、悪道に堕ちるのである。
(7-10につづく)
<願以此法布施功徳、早日証得涅槃楽>