Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

分からない

子供の時に、禅宗の僧侶の書いた本(日本語)を読んでいますと、                 〘長年修行してきて、何が分かつたかと言うと、何も分からない事が、分かった〙       とありました。              子供の頭に<???>            点灯です。笑。                 さて、私は原始仏教が好きで、かれこれ40年、タイやミャンマーで仏教(テーラワーダ)を学び、安般念の修行に取り組んで来たわけですが、私もようやく        
〘長年修行してきて、何が分かったかというと、何も分からない事が、分かって〙来ました。禅問答、一丁上がりです。笑。         息を観察する瞑想である所の、安般念をしていると、自分の心の動き、すなわち己の起心動念が、明瞭に捉えられる様になります。そして、起心動念が、上手く捉えられる様になればなるほど、自分の頭の中、妄想(心の癖、考え方の癖)が非常に多いことに気が付きます。                 自分が考えたり、感じたりしている事の99%は、妄想ではないか?と思う位。      ゆえに、自分は、自分の事も、世間の事も、何も分からないのだなぁ、と感慨深いものがあります。                    まぁそうは言っても、毎日生きていかねばなりませんので、日々の生業は、世間的常識に合わせて、活動しますが……(仏教の修行をしているからと言って、喜怒哀楽を殺し、能面の様に生きるのも、また違います)           己の心、己の起心動念は、己を騙す、己を誑かす…これが分かっただけでも、安般念を続けて良かったな、と思います。そういえは、ギリシャのどこかの神殿に、<知らない事を知っている者を、知っている者、と言う>とあるそうです。古今東西、賢者の言うことは、同じなんですね。  サヤレー。iPhoneで入力。