Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(38ー2)(私家版)

仏陀の時代、非常に貧しい夫婦がいた(当時のインドの一番下のカースト)。。。。        彼らの唯一の財産は、一枚の外套であった。それが一枚しか無い為に、二人は交代で、仏陀の説法会または正式な活動に参加するしかなかった。。。。。。                 ある日、仏陀は布施の功徳を説明した。。   それを夫が外套を着て聞きに行った。。。   彼は布施の功徳を聞いて、心中非常に歓喜した。そして思った:「私も布施しよう」。しかし、彼はこの一枚の外套しか持っていないので、もし外套を差し出してしまえば、これより先、外出が出来ない。その為、彼は布施をする考えを振り払い、続けて聞法した。仏陀の説法は聞けば聞くほど嬉しくなる。「いや、やはり布施しよう。しかし、外套を布施してしまえば、二度と外出できなくなって聞法ができなくなる!わたしの損失は更に大きなものになってしまうではないか?やはり布施は出来ない」そして、布施したい気持ちを抑えつけた。その後3度考えて、彼は思った:「もうこれ以上考えるのはやめよう。私は私の唯一の財産であるこの外套を布施しよう。」彼は3度考えた後、ようやく外套を脱いで、うやうやしく仏陀に差し上げた。仏陀に布施した後、彼は嬉しくて叫んだ:「私は勝利した!私は勝利した!私は勝利した!」