南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(40ー17)(私家版)

仏陀は《法句経》の中において、以下の様に言う:                 「いかに敵があなたを害したとしても、貪・瞋・痴によって誤導された心は、あなたに更に大きな災いを齎す」          例えば、あなたが誰かに殴られる時、以下の様に考えるのが良い:            「大丈夫だ!私は前世において彼に借りがある。大丈夫だ!今、彼に借りを返そう」この様にすれば良い!              しかし、もし、あなたの心が貪・瞋・痴で誤導されて、反撃を開始するならば、その時に造される業は、非常に大きなものとなる。もし、あなたが彼を殴り殺したならば、今生では刑務所に入り、未来においては、非常に多くの果報を返済しなければならなくなり、非常に多くの苦報を受け取る事になる。というのも、あなたが反撃する時、非常に多くの無尽業、また、非常に多くの速行心の、その中において、すでに(心識が)生・滅、生・滅して、非常に多くの「今生受業」(刑務所に入る事)と「次生受業」(地獄に落ちるであろう事)が残されるからであり、また、その真ん中(の心識)においては、非常に多くの「無尽業」があり、あなたは阿羅漢になるまで、絶え間なく借りを返さなくてはならない。阿羅漢になって、般涅槃に入って後にはじめて、業は終息するのであるから。