南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

七煩悩

1月4日のブログのお題は「台湾からの便り」でした。。。            その中に<七煩悩>という言葉が出て来ます。日本では、煩悩は<108個>と言われますが、具体的には何であるかよく分かりません(実は、煩悩の基本数×過去のもの×現在のもの×未来に発生するであろうもの=108なのですが、ややこし過ぎて、私も正確に説明できません…笑)。。。。。。。             台湾から届いたお便りに《7煩悩》とありましたが、これは分かり易いです。。。。              1.貪欲=過剰な欲望。普通に生活するのに必要な欲は貪欲とは言わない。修行しょうという欲は、正欲と言います。欲そのものが悪、という事はありません。。。。。。           2.瞋恚=怒り。これはない方が良いけれど、生身の人間、全くのゼロにはならない。(座禅・瞑想を習慣化して)怒りの生じた瞬間をよく観察して、身体が熱くなっているのに気がつくと良い。身体、細胞、血液が燃えれば、病気になりますから(怒りで身体が熱くなる前に、己の心に発生した所の、不快なパルスをキャッチできれば、怒りは、寸止め出来ます。只管、訓練です)。                 3.妄見=有身見=身体が実在しているという誤解。身体は微粒子(クオークより小さい粒子)で出来ていて、有る・無い、有る・無い、即ち、刹那生・滅を繰り返しています。身体は実在しない。これを知るには、禅定の力を土台に、Vipassanā の観察力が、必要です。               4.疑惑=仏陀の教えへの疑惑。私もまだ100%全てに納得している訳ではありませんが、基本はよく理解して、修行もしています。思考停止の原理主義者になるのも大きな問題ですから、己の智慧と心の段階に応じて、理解が進めば良いと考えます。。。。。                5.傲慢=これは解説いらないかも。しかし実は、己の傲慢に気がつかないが故に傲慢、なんですよね。卵が先が鶏が先か……己の傲慢に気がつかない人は、永遠に傲慢。                   6.有愛=生きていたい。死にたくないという欲。これ、誰にでもありますが、老、病、死を免れない人・有情は、永遠には生きれませんし、輪廻の問題もあります。ゴータマ仏陀の究極の教えは【涅槃せよ】です。                 7.無明=四聖諦を知らない事。または因果応報を知らない、認めない事。四聖諦の教えで【阿羅漢には5蘊はあるが、5取蘊はない。凡夫は5蘊も5取蘊もある】という説明が、我々の行くべき道として、参考になるかと思います(座禅・瞑想の訓練を通して、心が落ち着いて来ると、物事の因果関係が分かり易くなり、因果応報を認められる様になります。利己的な人は、自分に都合の良い発想しかしないので、因果応報が実感として、分かりにくい。仏陀の、因果応報・インドラ網への理解は、常人を超えています。我々の想定外です。)。。。。。。。。。         願以此功徳、早日証得涅槃楽。。。。    緬甸パオ森林僧院ヤンゴン分院所属…………       Paññādhika Sayalay(般若精舎)