Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

「四煩悩を断つ」(「断除四煩悩」翻訳文)―22

細やかに観照し、如如に不動たれ

皆さんに覚えておいてほしい事:

どのような噂話、人に関する是やら非やらを聞いても、

まずは冷静になって、事の次第をはっきりさせる事。

七面鳥みたいに、プープーコッコと、四方へ噂話を広め

ないで、まずは、自分の口を閉じる事。

人の是非を噂する人は、かわいそうな人間だが、それを

聞かされる人は、もっとかわいそうだ。

あなたは当事者ではないのだから、本当の是非を知る訳がない。

あなたはなぜ、誰が間違っていて、誰が正しいかを判断できる?

我々が、平和で、バランスの取れた心性を保持できないのは、

我々が、自己の自我意識を、分裂させているからだ。

これは他人が強要した訳ではなく、ただ自分に智慧がない故だ。

あなたは、毎日外からやってくる情報を収集しているが、

何が正しく、何が間違っているかを知らない。

実際には、他人の過誤は、自己の生死とは、関係がない。

もし我々が仏法の薫陶を受けて、一人の修行者になると決意する

ならば、細やかに、己の内部を観照し、24時間、自己の起心動念

(心の動き)に注意を払い、自己の行いをきちんと管理で

きていれば、それでよい。

今の所、これだけをしっかり頑張れば、よい。

やれ大慈がどうの、大悲がどうのなどと、高談するのは、

まだ早い。

まずは、怒らない事を実践する。

これだけでも、実に素晴らしい事なのだから。(つづく)

           (台湾高雄文殊講堂 慧律法師著

            翻訳文責 Pañña-adhika sayalay)