細やかに観照し、如如に不動たれ
皆さんに覚えておいてほしい事:
どのような噂話、人に関する是やら非やらを聞いても、
まずは冷静になって、事の次第をはっきりさせる事。
七面鳥みたいに、プープーコッコと、四方へ噂話を広め
ないで、まずは、自分の口を閉じる事。
人の是非を噂する人は、かわいそうな人間だが、それを
聞かされる人は、もっとかわいそうだ。
あなたは当事者ではないのだから、本当の是非を知る訳がない。
あなたはなぜ、誰が間違っていて、誰が正しいかを判断できる?
我々が、平和で、バランスの取れた心性を保持できないのは、
我々が、自己の自我意識を、分裂させているからだ。
これは他人が強要した訳ではなく、ただ自分に智慧がない故だ。
あなたは、毎日外からやってくる情報を収集しているが、
何が正しく、何が間違っているかを知らない。
実際には、他人の過誤は、自己の生死とは、関係がない。
もし我々が仏法の薫陶を受けて、一人の修行者になると決意する
ならば、細やかに、己の内部を観照し、24時間、自己の起心動念
(心の動き)に注意を払い、自己の行いをきちんと管理で
きていれば、それでよい。
今の所、これだけをしっかり頑張れば、よい。
やれ大慈がどうの、大悲がどうのなどと、高談するのは、
まだ早い。
まずは、怒らない事を実践する。
これだけでも、実に素晴らしい事なのだから。(つづく)
(台湾高雄文殊講堂 慧律法師著
翻訳文責 Pañña-adhika sayalay)