あなたは、先に、この三種類の中の、最も顕著な一種類を識別し、次に、一つ毎の、初禅の速行心刹那の中において、それを識別する。
その後に、あなたはその他の、一種類ごとの名法を、一回ごとに一つづつ増やすようにして、識別しなければならない。
始めたばかりの時、あなたは、一つ毎の初禅の速行心刹那の中に、一種類の名法を見るが、次には二種類見れるようにし、次には三種類見れるようにする、などなど(+の修行をするの)である。最後に、あなたは、一つ毎の初禅速行心刹那の中に、34種類の名法すべてを、見れるようにする。
初禅速行心刹那の中において、34種類の名法すべてを識別した後、あなた意門心路過程(manodvāra-vīthi)の中にある、その他の、一種類ごとの心識刹那の中の、すべての名法を識別しなければならない。
初禅の意門心路過程は、異なる機能を持つ、一つながりの六種類の心によって構成されている。
一つ目の心は、12個の名法があり、残りの五種類の心には、それぞれ34個の名法がある。
一、一つ目の心は、意門転向心(manodvārāvajjana)である;
あなたは、この心を含む12個の心所(この心及び、この心と相応する11個の心所)を識別する。
二、二つ目は、遍作心(parikamma)である;
あなたは、この心を含む、34個の名法(この心及びこの心と相応する33個の心所;以下同様に類推する事)を識別する。
三、三つ目は、近行心(upacāra)である;
あなたは、この心を含む34個の名法を識別する。
四、四つ目は、随順心(anuloma);
あなたは、この心を含む、34個の名法を識別する。
五、五つ目は種姓心(gotrabhū);
あなたは、この心を含む34個の名法を識別する。
六、六つ目は、不断に相続する一連のジャーナ速行心(jhāna-javana-citta)である;
あなたは、この心を含む34個の名法を識別することができる。
初禅心路過程の中の、一種ごとの心識刹那の中に生起する、すべての名法を識別した後、あなたはすべての名法に共通する特徴、すなわち、対象に向かい、かつ対象に粘着する特徴を、識別しなければならない。
その後に、初禅の中の、34種類すべての名法を名(nāma)として識別する。
その後、あなたは、同様の方法で、六門心路過程の中の、すべての名法を分析するべきである。
ここに至って、あなたは、内部における名色法を分析したことになる。
しかし、これでは足りないのである。
あなたは、直接的な観照力をもって、外部の名色法を分析しなければならない。その上、観照する範囲を徐々に、宇宙全体にまで拡大するべきである。
あなたが、このように内外の名色法を識別することができたとき、あなたは、暫定的に身見を断ずることができる。
というのも、この時、あなたには、男性、女性、息子、娘、犬、猫などなどは見えず、ただ名色法のみを、見るだけなのであるから。
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(つづく)
★誤字脱字を発見された方は、<菩提樹文庫>まで。
ご協力、よろしくお願いいたします。
<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」1999年中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>