南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(8-9)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

観の修習の第一段階における八支聖道

前に述べた通り、世間vipassanā業処を修習する過程においては、禅修行者はまた、世間的な八支聖道を育成しているのだ、と言える。

この時、あなたは究極色法と究極名法を了知することができたならば、この八種類の要素はすでに生起していると言える。そして、それらの所縁は、色法または名法である。

例えば、あなたが初禅の名法を(+これが何であるかを)確定しているとき、この八種類の要素はジャーナ法(jhāna-dhamma)を所縁として取るのである。正語、正業と正命という三種類の戒行の要素は、実際にはどの様なジャーナ法をも所縁にとってはいないが、しかし、我々はそれらを含めて考慮する・・・というのも、vipassanā 業処を修習する以前、あなたはすでに、五戒、八戒、九戒、十戒または比丘の227学処などを受持しているからである。

この八種類の要素とは:

(1)正見(sammā-diṭṭhi):智慧でもってジャーナ法を覚知する。

(2)正思惟(sammā-saṅkappa):尋(vitakka)心所に相当する。心をジャーナ法に投入せしめる。

(3)正語(sammā-vācā):すでに受持した所の虚妄語を遠離するなどの学処。

(4)正業(sammā-kammanta):すでに受持した所の殺生などを遠離する学処。

(5)正命(sammā-ājīva):すでに受持した所の相当の学処。

(6)正精進(sammā-vāyāma):ジャーナ法を覚知することに尽力し、心をしてそれに投入せしめ、それに専念せしめ、それに専注せしめる。

(7)正念(sammā-sati):ジャーナ法に専念する。その他の要素がジャーナ法から離れない様にする。

(8)正定(sammā-samādhi):ジャーナ法に専注する。

これが、八支聖道の八種類の要素が、観の修習の第一段階において、どの様に生起するのか、の説明である。 

(9-1につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。

<『涅槃証悟の唯一の道』パオ・セヤドー著(原題「証悟涅槃的唯一之道」) 

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>