Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳『禅修指南』8-25

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

名法の識別を修習する時、禅修行者は、名前による概念、例えば「遍作」、「近行」、「随順」、「種姓」などを、知ることは出来ず、ただ、それらの各々の速行心の、本性を知るだけである。

凡夫と有学聖者(ソータパナ、サターガミ、アナーガミ)にとって、遍作、近行、随順と種姓は、大善速行である;

阿羅漢にとって、それらは大唯作速行(mahākiriya javana)である。

利慧の禅修行者にとって、遍作は生起せず、ただ近行、随順、種姓のみが生起する。

《アビダンマ論註》では以下の様に言う:

レベルの高いジャーナ(すなわち、第二禅、第三禅)の遍作、近行、随順と種姓の中において、尋と伺は、それらと相応するが、しかし、第四禅の前においては、喜は存在しない、と。

尋、伺等の禅支は、ジャーナと呼び、ジャーナと相応する心と心所は、「ジャーナ相応法」(jhāna sampayutta dhamma)と呼ぶ。

ジャーナ速行の中の、すべての名法は、ジャーナ名法と呼ぶ。

非想非非想処禅を除いて、禅修行者はすべての、彼が已に証得した所の、ジャーナの名法(注32を、識別しなければならない。

すなわち:

安般念初禅は、第四禅まで。

白骨観の初禅:地、水、火、風、褐色、黄色、赤、白、光明。

虚空10遍は、初禅から第四禅まで。

前の九遍を基礎とする八定:慈、悲、喜の三無量心の初禅から第三禅、捨無量心第四禅。

不浄観は、初禅。

通常、ジャーナは似相のみを、所縁として取る。

安般念においては、ジャーナと、ジャーナ相応の名法は、安般念似相を、所縁として取る;

白骨観においては、白骨似相が所縁となる;

白遍禅においては、白遍似相が所縁となる;

慈心禅の所縁は、有情の概念である;

不浄観の似相は、不浄なる死体の似相であるか?(ママ)

注32:《清浄道論》第18章:この(見清浄)を成就したいと思う者で、もし彼が、止行者である場合、彼は、どれか一つの色界禅、または無色界禅から出定して(非想非非想処を除く)、その後に、相(特徴)、作用等に基づいて、尋・伺等の諸々の禅支と、それらと相応する所の、法を識別しなければならない。

このレベルまで修習したならば、彼は、それらをすべて「名」(nāma)として、識別しなければならない。というのも、それらは所縁に「向かう」(namana)が故に。

(8-26につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijyubunko.sakura.ne.jp/index.html

<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版  中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>