南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』#29-21

仏随念を修習したいのであれば、あなたは、上に述べた5つの項目を、空で言えるほど覚えておかねばならない。その後に、再度入出息または白遍第四禅に入り、禅定の光を輝かせ、清らかなものにする。

この光明を運用して、あなたが覚えている所の、一尊の好ましい、尊敬できる仏像を照らす。

仏像が明晰になった時、それを、真正の仏陀だと見做して、それに専注する。

もし、あなたが、過去において、幸運にも仏陀に会ったことがあるのであれば、彼の映像が、再度出現するかも知れない。

もし、そうであったとしても、あなたは、仏陀の功徳に専注するべきであって、彼の映像にのみ(専注してはならない)。

もし、仏陀の真正の映像が出現しないのであれば、あなたはとりあえず、見えている仏像をば、真正の仏陀と見做して、その後に、彼の功徳を随念する。

あなたが好む所の一項目「阿羅漢」の功徳の含意を選び、その意味を所縁として、何度も「阿羅漢」「阿羅漢」(arahaṃ、arahaṃ)と憶念する。

あなたの定力が育成されて来て、かつ、強くなった時、仏陀の映像は、消失する。この時、あなたは、ただ単純に、あなたが選んだ功徳に専注する。

この種の業処を修習しても、近行定(upacāra-samādhi)にしか到達する事ができないが、しかし、あなたは、諸禅支が生起するまで、引き続き、当該の功徳に、専注しなければならない。

あなたは、仏陀の、その他の功徳に専注する事も可能である。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>