Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing#33-1

第四講 如何にして色法を識別するか

はじめに

本日、我々は、色業処(rūpakammaṭṭhāna)について、説明するが、それはすなわち、四界差別(catudhātuvavatthāna)及び異なる種類の究極色法(paramattharūpa)の識別(方法)の説明でもある。

色法は、五取蘊の第一蘊であり、その他の四取蘊(受(vedanā)、想(saññā)、行(saṅkhārā)、識(viññāṇa))は、まとめて「名」(ñāma)と呼ばれる。

我々の、この五蘊有(pañcavokāra-bhava)の世間では、意識は物質に依存している、すなわち、心識の発生は、必ず個別の色法依処(色法の依存する場所)に依存しているのである。

目、耳、鼻、舌と身体の色法の、依処(vatthu、依存場所)と門(dvāra)は、同じ事である。

故に、眼識は、眼門または眼依処と呼ばれる所の、色法に依存して生起し、耳識は、耳門または耳依処と呼ばれる所の、色法に依存して、生起する等であるが、しかし、意識は、名法に属する所の、意門(有分)に依存して生起する:

我々の五蘊有世間において、名法が生起するために依存する所の色依処は、心臓の中の血液に位置しており、故に、それは心処(hadaya-vatthu)と呼ばれる。<注153>

それらを理解したいと思うならば、あなたは、異なる種類の色法を見なければならないが、それは、あなたは、先に色聚(rūpa-kalāpa)と呼ばれる所の、極めて微細な粒子を見なければならない事を意味する。

あなたは、物質現象は例外なく、これらの色聚によって構成されている事を見なければならないが、しかし、それらは、なお、究極法<注154>ではない。

究極法に通達したいのであれば、あなたは、異なる類型の色聚が、すべて界(dhātu)<注155>によって構成されている事を見なければならない。

唯一、この様にして初めて、あなたは、色法を如実に見る事ができるし、如実に、それと名法との関係を見ることができる。

これが、四界差別を修習する目的である。

しかし、この種の業処を理解する前に、我々は、以下の異なる類型の色聚及びそれらの「界」について、簡単に説明し、その後に、色法の四種類の因について、解説したいと思う。

この様にすれば、皆様にとって、四界差別(catudhātu-vavatthāna)<注156>という、この奥深い業処が、容易に理解できると思うが故に。

 <翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>