Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳『親知実見』#35-22

《第一不遍知経》(Pahama aparijānana Sutta)と

《尖頂閣経》(Kūṭāgāra Sutta)という、この二つの経文の教えは非常に重要である。

故に、もし、禅修行者が、受念処から、観の修習を始めたいのならば、彼は、以下の二点をしっかりと覚えておかねばならない:

●彼は、必ずや、すでに、究極色法を識別している事。

●受を識別するだけでは足りない。彼は、また、六門心路の中の、受に相応する名法を識別しなければならない。

ただ、実際は、一種類の法を識別するだけでも、覚悟(悟りを得る)することは可能である。しかし、その前提として、その前に、彼は、すべての、その他の法を識別した事がある、という事である、それは今生において、でもよいし、過去世において、でもよいが。

シャーリプトラ尊者の例では、彼は、アッサジ尊者の誦した偈頌の一首でもって、入流聖者になる事ができ、その後に、彼は出家して、比庫になり、禅の修行を開始した。

《逐一経》<注249>の中において、仏陀は、シャーリプトラ尊者が、如何に巧みに、善く、彼が証得した所の、ジャーナの一つひとつの名法<注250>を、逐一、識別するかを、講述している。

ただし、シャーリプトラ尊者が禅修行に、非常に精進しても、彼はなお、(その時までには)阿羅漢を証悟していなかった。

<翻訳文責: 緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>