南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』#37-8

如何にして欲界心路を識別するか

如理作意と不如理作意

禅定心路(色界または無色界意門心路)は、必ず善である。絶対に不善では有り得ない。しかし、欲界心路(五門心路、それとも意門心路の区別なく)は、善であったり、不善であったりする。

これは、如理作意(yoniso manasikāra)または不如理作意(ayoniso manasikāra)によって決定される。作意が、欲界心路が、善であるか、または不善でるかを、決定する。

もし、あなたが、一個の対象を見たとして、それを色法、名法、因または果、無常・苦・無我または不浄と見做すならば、あなたの作意は、如理作意であって、速行心は善に属する。

もし、あなたが一個の対象を見て、概念によってこれを視て、例えば人間であるとか、男性、女性衆生、金、銀、または恒常であるとか、楽または我のものと見做すならば、あなたの作意は不如理作意であって、速行心は不善に属する。

しかし、特殊な状況の下、概念に相関する所の速行心は、善で有り得る時もある、例えば慈心を修習している時や布施、供養をしている時。

あなたがこれらの心路を識別する時、それらの間の区別を見ることができる。

<翻訳文責:緬甸パオ森林寺院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>