Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(41ー2)(私家版)

1.未生の悪は生じさせない   悪法の生起するのを防止する為に、根門を守る。所謂、根門を守るとは、目、鼻等の根門を全部締め切って、見ない、聞かないというのではなく、行・住・坐・臥において、常に一個の業処を守る事を意味する。心が一つの業処に専注する時、目が綺麗な物をみても、見ても見ていない風になる。耳は、貪を引き起こす可能性のある音を聞いても、聞いている様で聞いていない風になる。例えば、私が勉強に専念している時、頭上を飛行機が飛んでも気が付かない。というのも、私の心が勉強に専念しているが故に。同様に、心が業処に専注している時、煩悩は、目、耳、鼻、舌、身体、意から入り込む事は出来ない。この様にすれば、色、音声、香、味、触覚が、目、耳、鼻、舌、身体、意に衝撃する事によって貪、瞋、痴が生起するのを防ぐ事ができる。