Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(53ー11)(私家版)

もし、業果の作用を理解するならば、我々は、己の身の上に発生する所の、種々の出来事を受け入れる事ができる。。。      前の世でなした不善業は、ある時には我々の、この一生の善業を阻害することがある。。。                   この様に理解する事は、我々が、不平等な境遇に遭遇した時、他人を恨む様な事をしないで済む、という訳である。。。     この種の智慧を業報智(業により生じた果報への理解)と言う。。。           己自身の業によって生じた果報であるが故に、何ら他人に恨みを投影してはならないのである。。。。               悪趣において、阻害業が令生業と対抗する事があり、結果、(そこでの生活に)いくらかの楽しみを齎す事がある。。。     例えば、不善の令生業によって餓鬼(界)に生まれたとして、彼の善なる阻害業が、不善の令生業を阻害し、結果、当該の餓鬼は、昼間は辛く苦しいものの、夜は楽しく過ごす事ができる、などである。。。    本来、餓鬼と言うものは、昼夜を分かたず苦しいものであるが、しかし、善の阻害業が、不善業を阻害する関係で、彼は、一時の快樂を、楽しむ事ができるという訳である。