Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(74ー3)(私家版)

古代に、一人の辟支仏が、クティの修復の為に粘土を必要とし、ある村の貧しい女性の家に托鉢に来た。女性の手には少しばかりの粘土があった。彼女は粘土を惜しんだが、上げない訳にもいかなかった。その為、彼女はいやいや粘土を辟支仏に供養した。供養そのものは善業であるが、彼女は、少しばかりの怒りの心でそれをなした。善と悪の2つの心路過程が不断に交互に生起して、ある時は善であり、ある時は悪であった。彼女は布施の業により、お金持ちの家に生まれた。しかし、彼女の名前は五醜と言った。その意味は、身体の五ヶ所が特別に醜かったのである。目、鼻、口、両手と両足。彼女の善行為は、怒りに取り囲まれている為、醜い目、低い鼻、歪んだ口などなどになった。しかし、彼女は、過去において、粘土を、既に徹底的に煩悩を断じ除いた辟支仏に布施した為、その功徳は非常に大きく、又自らの手で供養した為、この一つの善業が善報を齎した。結果、彼女の感触は非常に妙やかなもので、一度、彼女に触れると、誰でも彼女を好きになった。