パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-4
仏陀はこのように考えた:「この生死の輪廻の中で、共同生活は
すでに極点にまで発展した。水が集まって河になるように、地獄、
畜生、餓鬼、阿修羅、人、天界及び梵天の衆生は、皆共同生活を
送っている。直径が一万由旬の地獄には、衆生が押し合いへし
合いしており、粉石けんが詰まったガラス瓶みたいだ。五種類の
束縛と折檻をうける地獄には、数えきれないほどの衆生がいる。
そこは:「焼いて赤くなった鉄の叉股が、彼の片方の手を刺し貫き、
もう一つの赤く焼いた鉄の叉股が彼のもう一方の手を刺し貫いている。
焼いて赤くなった鉄の叉股が彼の片方の足を刺し貫き、焼いて赤く
なった鉄の叉股が、彼のもう片方の足を刺し貫いている。そして、
もう一つの、焼いて赤くなった鉄の叉股が、彼のお腹を挿し貫いて
いる」。斧で(皮肉骨)をそぎ取る地獄なども、また似たような
ものである。彼らはこのように、共同生活における熱い苦悩に
満ちている。畜生界においては、アリ塚のシロアリはどれくらい
いるのか、計算できないほどである。一つの蟻の巣にいる蟻たちは、
数えきれないほどである。畜生界で共同生活している衆生もまた、
このように熱い苦悩に満ちている。
ある種の鬼の城(亡霊の住処)は、直径が四分の一か又は半由旬ほど
で、その中にも鬼(亡霊)がひしめいている。餓鬼界の共同生活も
このように熱い苦悩に満ちている。
人間界では、舎衛城に住む大きな族人は、570万人で、王舎城の内外に
住む人は1800万人である。これらの人々の共同生活もまた、このように
熱い苦悩に満ちている。天界においては、土地神から梵天界までもが、
また共同生活を営んでいる。大きな福報のある天人は、少なくも250万
の舞姫を擁し、900万の舞姫を擁している者もいる。また、一万の梵天神
が一か所に集まって、共同生活している場所もある。(つづく)
(<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」>(1999年版)
中国語版→日本語 翻訳文責Pañña-adhika sayalay)