翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-117)(私家版)
五個の色界果報心
色界果報心と色界善心は、文字の上では同じものである。
五個の色界善心は、欲界でも生起する事ができる。
しかし、五個の色界果報心は、その様にはできない。
というのも、それらは梵天の結生識であり、梵天が色界に生まれる時の、一番目の心識であるが故に。
凡夫は、欲界の衆生であり、梵天神ではない。故に、その結生識は、色界果報心ではありえない。
我々がもし、現在、初禅を修証する事ができたとして、この初禅善心は、今生で果報を生じることはできない。
今生の臨終の時、もし、始終、初禅の定力を維持する事ができたならば、これに依拠して、梵天の色界初禅天に生まれ変わる時、梵天の結生識とする事ができる(色界初禅天は、梵衆天、梵輔天、大梵天の三つの界に分ける事ができる。)
(3-118につづく)
<願以此法布施功徳、早日証得涅槃楽>