南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』#8-10

陀の解説の如く、合計で六根門がある;

1)眼門(cakkhudvāra)

2)耳門(sotadvāra)

3)鼻門(ghānadvāra)

4)舌門(jivhādvāra)

5)身門(kāyadvāra)

6)意門(有分)(manodvāra)

前の五根門は、色法(rūpa)、すなわち、五依処(vatthu)<注22>である、しかし、第六の根門ーー意門(有分(bhavaṅga))は名法(nāna)に属し、それは、第六色処――心処(hadayavatthu)に依存して生起する。

五種類の根門に依存して生起する五根識は、それぞれ個別の色法所縁をのみ、縁に取ることができる。

名法としての意門は、すなわち、前の五種類の所縁及び己自身の所縁を縁として取ることができる。

仏陀は《白毫光婆羅門経》(Uṇṇābha‐brāmaṇa Sutta)の中において、「根(indriya)」<注23>という語彙を用いてこれらの事柄に関して解説している:

「婆羅門、この五根(indriya)は、それぞれ個別に対境があり、個別の範囲があり、それらの相互の範囲、対境を体験(paccanubhontānaṃ)する事は出来ない。どの様な五種類であるか?

1)眼根(cakkhundriyaṃ)

2)耳根(sotandriyaṃ)

3)鼻根(ghānindriyaṃ)

4)舌根(jivhindriyaṃ)

5)身根(kāyandriyaṃ)

婆羅門よ。この五根にはそれぞれ個別の対境があり、個別の範囲があり、それらの相互の範囲、対境を体験することができない。意のみがそれらの範囲、対境を体験することが出来る。」(S .5.512)

 <翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>